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久しぶりに、立て続けに映画を観ました

「崖の上のポニョ」と「スカイ・クロラ」の2本は、今のジャパニメーションが世界に誇る
二大監督、宮崎駿氏と押井守氏のこの夏のガチンコ勝負で、とても面白かったです

期せずして、どちらも子どもが(といっても年齢層は大分異なりますが)冒険したり、
ショーとしての戦争を繰り広げる、という世界が描かれている上、これまた共に
「生まれてきたこと」「生きること」を肯定するようなメッセージがあり、対比させて
観るにはとても興味深いものでした

映画自体の感想や比較論は、それこそネット上に数々あると思うのでそちらを
参照していただくとして、せっかくなのでここでは「母親」にフォーカスして
感想を述べてみたいと思います

ポニョの宮崎監督の女性、特に宗介の母であるリサの描き方は、「ポニョ」を
観る上で私にはとても不快感のあるものでした
ネットを探したら、こちらの方がほぼ同じことを代弁してくれてる模様です

町山智浩「人の親として『崖の上のポニョ』で許せないこと」
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20080727

たけくまメモ「ぱんだとポニョ(3)」で、許せない項目がテキストになってます
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_746c.html

私も、あんなに大荒れの天候の中、海沿いの水を被った道路を5歳の子供を連れて
車飛ばすなんて、どう考えても「サバサバした」「行動力がある」という表現では
納得出来ない、子供を危険にさらす行為をこともあろうに母親が取ることは
ないじゃないか、という気持ちで観ていました

その上、幼い子供二人を家に残して、自分は職場の人の安否を確認に出掛けてしまうに
及んではもう、なにをか況んや・・・
もちろん、母親を捜すことで宗介の冒険が始まり、彼はそこで成長する、というのは
わかるのだけれど、乗り捨てられたリサカーを見つけたとき、彼は間違いなく
母の死を思ったはずで、5歳の子の冒険譚のモチベーションには過酷過ぎる気が・・・
このあたりは、NHKで放送された特番を見るに、宮崎氏自身の母親への思いが
強く影響しているのかもしれません

物語の後半、町が水没してからの雰囲気はまるで絵本の世界みたいでよかっただけに、
非常に引っかかる「母親像」ではありました


押井監督の「スカイ・クロラ」は画面の雰囲気がとても静謐で、個人的にはこちらの方が
好みでした
何より、音、音響+音楽がとてもよくて、これはぜひとも映画館で観ないと!

ただ、こちらも(これは原作なのかもしれないけれど)ヒロイン・草薙水素(クサナギスイト)
が母親ではあるものの、この世界観の中で「子供をもうける」ということにどういう意味が
あるのか?という点に引っかかりはありました

作中、スイトの信頼する整備士・笹倉女史が、スイトが母になったいきさつを
「自分や他人の運命に干渉することを覚えたのよ」、と言う場面があります
母となることは他人の運命への干渉、と言われてしまうと、確かにそうした面は
否定出来ませんが・・・

まあこちらは、「キルドレ」という思春期の姿のまま歳を取らず、戦争だけが自分の
生の証、という主人公たちの特殊な設定があるため、あまりストレートに
受け取らない方がいいのかもしれません

子供を産み出すのは母親なのだけど、「スカイ・クロラ」の世界では母親の存在よりも、
キルドレたちの上に「どうしても勝てない存在」として君臨する大人の男、「ティーチャー」
の方が重要視されてる点は、いろいろ深読みすると楽しそうではあります
でも、これは基本的にロマンチックな話(原作はまた別かも?)なので、母親像を
云々するのは確実に重箱の隅でしょうね

(「ポニョ」もそうだけど、母親像ってどうやってもこういう作品の中では神格化
されるか、矮小化されるかのどっちかになりがちな気がします)


「生きること」への意味付けは、「スカイ・クロラ」では「ポニョ」よりももっと
わかりやすく表現されています
死と隣り合わせであるからこそ、生きる実感を感じられる空の上での戦いの場面と、
永遠に同じ日常を生きる地上での生活とを対比させ、その繰り返す日常に
挑んでいくことで、自らの生に意味を見い出そうとする主人公・函南優一(カンナミユーイチ)
の悲壮な美しさは、アニメの世界であるからこそ際立つ感じです

「君は生きろ。何かを変えられるまで」
「I kill my father」 ← このfatherは字幕では「ティーチャー」を意味します

ユーイチは、スイトとの間に子供を作って「他人の人生に干渉」したくはなかったのか?
ティーチャーを殺すことでしか、自分の日常を変えることが出来ない、と思い込んで
しまっているのはなぜなのか?

実際子供二人も産んじゃって「他人の人生に干渉」してしまった立場の者からすると、
ユーイチのヒロイックな決断は「可愛いなあ」、としか思えないんだけど(ごめんね)、
でもそうした現実感をすべて取っ払ってロマンチック・ストーリーに真っ正面から
挑んだ押井監督の「スカイ・クロラ」の方が、今夏の私にとってはシビレました

出来れば2回目を観に行きたいくらい気に入ってしまったのだけど、
その前に「ダークナイト」も「デトロイト・メタル・シティ」も観たいし・・・
夏休みは、宿題ばかりが増えていって困りますね(苦笑)
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2008.08.17 Sun l 観たもの l COM(0) TB(0) l top ▲
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